eラーニングは業務時間外にやると違法? 残業代請求や対処法を解説

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eラーニングは業務時間外にやると違法? 残業代請求や対処法を解説

令和5年度に三重県内の労働基準監督署が監督指導を行った459事業場のうち、賃金不払残業があったものは41事業場でした。

従業員研修などにeラーニングを用いる企業が増えていますが、業務時間外に受講するよう指示された場合、残業代を請求できる可能性があります。

業務時間外のeラーニング受講の違法性、残業代請求の可否などについてベリーベスト法律事務所 四日市オフィスの弁護士が解説します。


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1、eラーニングを業務時間外に受講させられた! 違法?

業務時間外におけるeラーニングの受講は、時間外労働などに当たる場合があります。労働基準法や36協定に基づいて解説します。

  1. (1)受講が義務付けられている場合は「時間外労働」などに当たる

    会社によっては、業務時間外にeラーニングの受講を義務付けている場合があります。その場合の受講時間は、以下のいずれかに該当します。

    • ① 法定内残業:所定労働時間(※1)を超え、法定労働時間(※2)を超えない範囲の残業です。
    • ② 時間外労働:法定労働時間を超える残業です。
    • ③ 休日労働:法定休日(※3)に行われる労働です。

    • ※1 所定労働時間:労働契約や就業規則で定められた労働時間
    • ※2 法定労働時間:労働基準法で定められた労働時間の上限(原則として1日当たり8時間・1週当たり40時間)
    • ※3 法定休日:労働基準法で付与が義務付けられた休日(1週当たり1日、または4週を通じて4日)


    これに対して、eラーニングの受講が従業員(社員)の任意とされており、ペナルティや会社による強制がない場合には、労働時間に当たらないと考えられます。

    eラーニングの受講が労働時間に当たらない場合は、特に違法性の問題は生じません。

  2. (2)業務時間外の受講指示が違法となるケース

    会社が従業員に対して業務時間外のeラーニング受講を指示することは、以下のような場合に違法となります。

    ① 時間外労働または休日労働に当たり、その指示が36協定に違反している場合
    従業員に時間外労働または休日労働をさせるためには、あらかじめ労使協定(36協定)を結び、時間外労働・休日労働を指示するための要件や、上限時間数などを 定めておく必要があります。
    この36協定のルールを超えて時間外にeラーニングの受講を指示したり、休日に受講を強制したりすることは違法になります。また、そもそも36協定自体を締結していない会社が、業務時間外にeラーニングの受講を指示することも法律違反です。

    ② 残業代が適切に支払われていない場合
    法定内残業・時間外労働・休日労働に対しては、いずれも残業代を支払う必要があります。もし業務時間外のeラーニングが実質的に残業に当たるのに、残業代が適切に支払われていない場合は違法です。


    特に業務時間外のeラーニング受講については、残業代が適切に支払われていない例がよく見られます。次の項目では、残業代の取り扱いについて詳しく解説します。

2、eラーニングを業務時間外に受講したら、残業代はもらえる?

業務時間外のeラーニング受講が労働時間に当たる場合は、残業代を請求できます。また、会社から明確に受講を指示されていなくても、残業代を請求できるケースもあります。

  1. (1)労働時間に当たる場合は、残業代を請求できる

    「労働時間」とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれた時間をいいます。

    労働時間に対して、会社(使用者)は従業員(労働者)に対して賃金を支払わなければなりません。本来の業務時間以外の労働時間については、その賃金が基本給に含まれていないので、残業代を請求することができます。

  2. (2)会社から明確に受講を指示されていなくても、残業代を請求できることがある

    会社からeラーニングの受講を明確に指示されていなくても、会社の指揮命令下にある状態で受講したと評価できる場合には、「受講時間=労働時間」として残業代の請求が可能です

    会社の明確な指示がない場合において、eラーニングの受講が労働時間に当たるかどうかは、以下の要素などを考慮して判断されます。

    ① 受講者・日時・場所などの決定方法
    会社が受講者を決め(=受講の義務付け)、受講の日時や場所も会社が指定した場合は、労働時間に当たる可能性が高いと考えられます。

    ② 報告書や感想文などの提出の要否
    会社が報告書や感想文などの提出を指示した場合は、労働時間に当たる可能性が高いと考えられます。

    ③ 未受講者の取り扱い
    eラーニングを受講していない従業員に対して、上司などが指導を行った場合には、労働時間に当たる可能性が高いと考えられます。

    ④ 法令上の受講義務の有無
    受講が法令上義務付けられている場合には、業務の一環として労働時間に当たる可能性が高いと考えられます。
    (例)労働安全衛生法に基づく安全衛生教育など


    受講時間が労働時間に当たるかどうかは、受講の実態に応じて判断されます。「指示がなかったから労働時間には当たらない」と形式的に判断するのではなく、弁護士に相談しながら詳しく検討しましょう

3、「eラーニングの受講は業務外」と会社に言われた場合の対処法

会社は「受講を指示していない」「学習や自己研鑽のためにすすめただけ」などと言って、eラーニングの受講を業務外として取り扱い、残業代の支払いを拒否するかもしれません。

しかし、客観的には労働時間に該当し、残業代請求が認められるケースもあります。必要に応じて弁護士のサポートを受けながら、以下の方法によって対処しましょう

  1. (1)労働時間に当たるかどうかを検討する

    まずは、業務時間外のeラーニング受講が労働時間に当たるかどうかを検討します。

    会社から明示的に受講を指示されていた場合は、労働時間に当たると考えられます。明示的な受講指示を受けていなかった場合は、「(2)会社から明確に受講を指示されていなくても、残業代を請求できることがある」の条件に当たるかどうか確認しましょう。

  2. (2)残業代の支払いについて会社と交渉する

    業務時間外のeラーニング受講が労働時間に当たる場合は、残業代の支払いについて会社と交渉します。人事担当者などに連絡して、残業代の支払いを求めましょう。

    会社との交渉に当たっては、残業代の取り扱いについて考え方をすり合わせることが大切です。個人で交渉すると、適切な主張ができないおそれもあるため、弁護士のサポートを受けることをおすすめします

  3. (3)労働審判や訴訟を検討する

    会社が残業代の支払いに応じない場合は、労働審判や訴訟を通じて請求することも検討しましょう。労働審判と訴訟は裁判所で行われる手続きで、業務時間外のeラーニング受講が労働時間に当たるかどうかを客観的に判断してもらえます。

    在職しながら労働審判の申立てや訴訟の提起を行うのは、職場の人間関係などの観点から難しい面があるかもしれません。しかし、納得できない思いを抱えたまま働き続けるのも健全とはいえません。お一人で悩まずに、どうすべきか弁護士に相談することをおすすめします。

    退職後であれば、心理的にも労働審判や訴訟を利用しやすくなるでしょう。弁護士に依頼することで、労働審判や訴訟の手続きにも適切に対応できます

4、未払い残業代について弁護士に相談するメリット

業務時間外のeラーニング受講や、その他の残業について未払い残業代を請求したいと考えているなら、弁護士に相談することをおすすめします

未払い残業代について弁護士に相談することの主なメリットは、以下のとおりです。

  • eラーニング受講の実態を踏まえたうえで、法的な観点から残業代を請求できるかどうか判断できる
  • 残業の証拠収集をサポートできる
  • 法律のルールに従って、適正額の残業代を算出できる
  • 残業代の支払いに関する会社との交渉を代行できる
  • 労働審判や訴訟など、裁判所で行われる手続きへの対応も一任できる
など


スムーズに未払い残業代を回収するには、労働問題に詳しい弁護士のサポートを受けることが近道です。業務時間外のeラーニング受講について、残業代が支払われていないことに納得できない場合は、弁護士にご相談ください

5、まとめ

業務時間外のeラーニング受講については、残業代の管理が適切に行われておらず、未払いとなっているケースが少なくありません。残業代が支払われていないことに納得できないときは、弁護士に相談することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所は、未払い残業代請求に関する労働者のご相談を随時受け付けております。会社との交渉や労働審判・訴訟などの裁判手続きについても、経験豊かな弁護士が全面的に代行いたします

会社に対して未払い残業代を請求したいときは、ベリーベスト法律事務所 四日市オフィスへご相談ください。

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