逮捕は何歳から? 未成年の子が逮捕されたら保護者がすべきこと

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逮捕は何歳から? 未成年の子が逮捕されたら保護者がすべきこと

「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況(警察庁)」の統計によると、令和7年に14歳以上20歳未満の少年非行で検挙された人数は2万4416人でした。

子どもがなんらかの罪を犯してしまい、「何歳から逮捕されるのか」「保護者はどうすべきか」などと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本コラムでは、逮捕される年齢や逮捕後の処分・保護者ができることなどについて、ベリーベスト法律事務所 成田オフィスの弁護士が解説します。


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1、逮捕は何歳から? 少年法の概要

未成年が罪を犯したとき、逮捕される可能性があるのは何歳からなのでしょうか?

以下では、少年法における年齢別の対応と実際の事件例を解説します。

  1. (1)14歳以上は、未成年でも逮捕される

    14歳以上、20歳未満の者が罪を犯した場合、「犯罪少年」として扱われます。特に18歳と19歳の少年は「特定少年」と定義されており、民法における成年年齢が18歳に引き下げられたこととのバランスをとるとともに、責任ある立場として扱う趣旨から新設されました。

    これらの少年は、捜査の対象となり、逮捕される可能性があります。ただし、特に14歳・15歳の「年少少年」や軽微な事件における身柄拘束の判断は慎重に行われます。

    犯罪少年が逮捕された場合、成人と同様に警察・検察による取り調べを受け、その後は家庭裁判所での少年審判へと進みます

    少年審判では、刑罰よりも少年の「更生と保護」を重視した処遇が基本となります。そのため、直ちに刑務所に収容されるようなことはありません。とはいえ、重大事件の場合には家庭裁判所が検察官に事件を送り返す「逆送」が行われ、成人と同様に刑事裁判を受けるケースもあります。

  2. (2)14歳未満は、児童相談所の関与が原則

    14歳未満の未成年は、刑法第41条により「14歳に満たない者の行為は、罰しない」と規定されているため、刑事責任を問われません。そのため、刑罰法令に触れる行為をしても犯罪は成立せず、逮捕されることもありません。このような少年は「触法少年」と呼ばれます。

    触法少年の場合、警察は犯罪捜査でなく「触法調査」を行い、事件を児童相談所長に送致します(児童福祉機関先議)。事件の内容によっては児童相談所の一時保護によって身体拘束を受けるケースもあります。

    また、重大事件を起こした場合は、児童相談所長から家庭裁判所に送致され、少年審判によって保護観察や少年院送致といった処分を下される可能性があります。

  3. (3)高校生や中学生が送致または保護観察となったケース

    実際に14歳以上の未成年が罪を犯し、送致や保護観察処分となったケースを2つ紹介します。

    ① 15歳の高校生が傷害容疑で家裁送致
    令和7年5月、15歳の高校生が10代男性の首を刃物で刺したとして、殺人未遂容疑で逮捕されました。同年6月には、宮崎地検により傷害の疑いで宮崎家庭裁判所に送致されています。
    殺人未遂容疑から傷害容疑に切り替えた理由については、証拠を検討した結果とのことです。

    ② 強盗予備事件を企てた中学生が少年院送致、共謀した高校生が保護観察
    令和6年10月、山口県内の住宅に強盗に入ろうと企てたとして、中学生と高校生2人が強盗容疑で逮捕されました。15歳の中学生は強盗予備の非行事実で少年院送致、共謀した16歳と18歳の高校生は保護観察処分となりました。
    3人に面識はなく、SNSで募集されていた闇バイトに応募し、指示されて行動していたとされています。


    これらの事例からもわかるように、高校生や中学生であっても、犯罪行為をすれば逮捕されて処分を受ける可能性があります。

2、未成年が逮捕されるとどうなる? 逮捕後の流れ

未成年が逮捕された場合、成人とは異なる流れで事件処理が進みます。少年法の特別な枠組みにより、刑罰よりも更生を重視した処分がなされるのが特徴です。

以下では、逮捕後にどのような手続きが行われるのか、そして成人との違いを解説していきます。

  1. (1)未成年の逮捕後の流れ

    未成年が逮捕された場合、基本的に次のような流れで手続きが進みます。

    • ① 逮捕・警察による捜査(逮捕から48時間以内)
    • ② 検察官の判断(送致から24時間以内)
    • ③ 家庭裁判所への送致(全件送致主義)
    • ④ 観護措置・少年鑑別所での調査(原則2週間・通常4週間)
    • ⑤ 少年審判(非公開)
    • ⑥ 試験観察(必要に応じて)
    • ⑦ 処分の決定


    ① 逮捕・警察による捜査(逮捕から48時間以内)
    14歳以上の少年が罪を犯したと疑われる場合、成人と同様に逮捕されることがあります。ただし、少年事件では任意捜査が原則とされ、身体拘束は慎重に行われます。警察は、逮捕後48時間以内に事件を検察官へ送致しなければなりません。

    ② 検察官の判断(送致から24時間以内)
    事件を受け取った検察官は、必要に応じて24時間以内に裁判官に勾留請求を行うか、家庭裁判所への観護措置を請求します。少年事件では、身柄拘束に対してより厳しい制限があり、やむを得ない場合に限って勾留が認められます。

    • 勾留:最長10日間留置場に収容(さらに10日間の延長可能)
    • 勾留に代わる観護措置:最長10日間少年鑑別所に収容(延長なし)


    ③ 家庭裁判所への送致(全件送致主義)
    少年事件は、成人と異なり、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されます(全件送致主義)

    • 軽微な事件:警察→家庭裁判所へ直接送致(家裁直送)
    • 重大事件:警察→検察→家庭裁判所へ送致


    ④ 観護措置・少年鑑別所での調査(原則2週間・通常4週間)
    家庭裁判所に送致された後、少年は少年鑑別所に収容され、心身の状態や環境の調査が行われます。この期間を「観護措置」といい、原則2週間ですが、特に継続の必要があるときは更新が可能で、通常は1回更新されて最長4週間、特別な場合は最長8週間まで延長されます(少年法第17条)。

    ⑤ 少年審判(非公開)
    家庭裁判所で非公開の審判が行われ、少年本人や保護者の話を聞きつつ、もっとも適切な処分が検討されます。軽微な事案や保護の必要がないと判断された場合は、「審判不開始」として審判を開かずに手続きが終了することもあります。

    ⑥ 試験観察(必要に応じて)
    家庭裁判所は、少年の行動や生活態度を一定期間観察する「試験観察」を行うことがあります。期間は3〜4か月程度が一般的で、その結果をふまえて最終処分が決定されます。

    ⑦ 処分の決定
    家庭裁判所は、以下のいずれかの処分を決定します。

    • 保護観察
    • 児童自立支援施設等送致
    • 少年院送致
    • 不処分
    • 審判不開始
    • 検察官送致(逆送)


    手続きの流れの中で、成人との大きな違いは「家庭裁判所の関与」です。

    成人であれば、逮捕後は検察官が起訴するかどうかを判断し、起訴された場合は刑事裁判で判決が下されます。一方、未成年は家庭裁判所に送致され、家庭裁判所の少年審判によって処分が決まります

  2. (2)未成年は少年法の枠組みで処分される

    逮捕されたからといって、未成年がすぐに刑務所に入るわけではありません

    少年審判の結果、処分が必要と判断された場合、家庭裁判所は少年の更生を目的とした「保護処分」を決定します。具体的には保護観察処分のほか少年院送致や児童自立支援施設等送致など、刑事罰とは異なる処分が行われます。

    なお、未成年が事件を起こした場合には、報道にも制限が設けられています。原則として、個人が特定できるような情報の報道や実名報道は認められていません。

    ただし、18歳・19歳の特定少年には特例が設けられており、事件の内容に応じて実名報道されるケースもあります。

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3、少年審判でどのような処分を受ける?

少年審判の処分の重さは、事件の内容や原因・前科・前歴・年齢・家庭環境などさまざまな要素によって判断されます。以下では、少年審判における代表的な処分の内容と特徴を確認していきましょう。

  1. (1)保護処分

    保護処分とは、少年の更生を図るために行う処分です。保護処分には、大きく分けて以下の3種類があります。

    保護処分の種類 概要
    保護観察 保護観察官や保護司の指導監督を受けながら生活を送り、更生を目指す処分
    児童自立支援施設等への送致 生活環境の改善が必要とされる場合に、施設で生活指導を受ける処分
    少年院送致 非行の程度が重い、または家庭での更生が困難な場合に、少年院で矯正教育を受ける処分

    児童自立支援施設等への送致や少年院送致では施設に収容されますが、保護観察となった場合は普段の生活に戻れます。少年自身の反省の度合いや家庭内でのサポート環境なども、処分内容の決定に影響する要素です。

  2. (2)知事または児童相談所長送致

    家庭裁判所が、児童福祉法に基づく措置が必要と判断した場合には、知事または児童相談所長に事件が送致されます。低年齢の少年や、家庭環境に問題がある場合に選択されることの多い処分です。

    送致後は、児童福祉施設への入所や一時保護、児童相談所による支援などが行われます。犯罪行為への対応というより、福祉の観点からの支援が重視される点が特徴です。

    なお、知事または児童相談所長送致は18歳未満の少年に対する処分であり、18歳・19歳の少年は対象になりません。

  3. (3)検察官送致(逆送)

    検察官送致(逆送)とは、家庭裁判所が事件を検察官に送り返す処分です。検察官送致が決定すると、少年事件であっても成人と同様に刑事裁判を受けることになります

    以下のようなケースでは、原則として検察官に事件を送致しなければならないと少年法で定められています。

    • 16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪を犯した場合
    • 18歳以上の特定少年が死刑、無期または短期1年以上の拘禁刑にあたる罪を犯した場合


    刑事裁判で有罪となれば、拘禁刑や罰金刑が科されます。

4、保護者ができること、すべきこと

子どもが逮捕されてしまったときは、保護者が冷静に対応することが子どもの将来を守るうえで重要となります。保護者が取るべき具体的な行動は、以下のとおりです。

  1. (1)事件の詳細を調べる

    子どもが逮捕されたときに保護者がまずすべきことは、事件の内容と状況の把握です。

    どのような経緯で事件が起きたのか、誰が関与しているのか、どの程度の被害があるのかをできる限り確認しましょう。担当警察官や弁護士から事情を聞く機会を設けることもおすすめです

    また、家庭内での様子や交友関係、子どもの言動なども振り返ることで、今後の対応や弁護士への情報提供に役立ちます。

    なお、事件の詳細な内容については、捜査中の段階では警察から十分な情報が得られないこともあります。その場合、弁護士を通じて情報を入手することが現実的な方法となります。

  2. (2)弁護士を探す

    事件の詳細が把握できたら、少年事件に詳しい弁護士を探して相談しましょう。保護者が弁護士に相談すべき理由は、以下のとおりです。

    • 家庭裁判所で弁護活動(付添人活動)ができる
    • 処分軽減の可能性が高くなる
    • 子どもや家族への精神的サポートができる
    • 示談成立に向けて働きかけられる


    子どもが逮捕されたというショックで、落ち着きを保つのが難しくなる保護者も少なくありません。しかし、取り調べなどに対して適切に対応するためにも、感情的にならず早めに弁護士を探して相談することが望ましいです。

  3. (3)子どもへの面会

    警察や検察官による取り調べ中は、弁護士以外との面会は認められません。取り調べが終わり勾留されたあと、接見禁止になっていなければ家族と面会できるようになります。

    なお、勾留に代わる観護措置として少年鑑別所に収容された場合や、家庭裁判所への送致後に観護措置として少年鑑別所に収容されている場合は、保護者の面会が認められます

    受付時間や面会できる時間には制限がありますが、できる限り面会に出向くようにしましょう。面会によって子どもが安心感をもつことで、反省や更生への意識が高まる可能性もあります。

    収容先のルールにもよりますが、着替えや書籍・現金などの差し入れを渡すことも可能です。

  4. (4)調査官や少年審判への対応

    家庭裁判所では、家庭環境や本人の性格・反省の度合いなどを把握するために、調査官による調査が行われます。保護者もこの調査に協力を求められ、調査官と面談する場合があります。

    保護者との面談内容は子どもの処分の判断にも影響するため、真摯に対応するようにしましょう

    また、少年審判では、裁判官は少年だけでなく保護者に対しても質問します。質問された際は丁寧に答えて、誠実に対応する姿勢を示すことが重要です。

5、まとめ

未成年であっても、14歳以上であれば逮捕される可能性があります。逮捕後は少年法に基づいて手続きが進められ、家庭裁判所の少年審判によって処分が決まります。

子どもが逮捕される事態に直面したとき、保護者がすべきもっとも重要なことは、一人で抱え込まないことです。冷静に事件の状況を把握し、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談することで、処分の軽減や更生への道筋が開ける可能性も高まります。子どもが逮捕されてしまって不安なときは、お早めにベリーベスト法律事務所 成田オフィスの弁護士にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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