置き引きとは? 窃盗罪になる? 該当するケースや逮捕されたあとの流れ

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置き引きとは? 窃盗罪になる? 該当するケースや逮捕されたあとの流れ

置き引きは、窃盗や占有離脱物横領などの罪に該当する可能性がある行為です。

警察庁の「令和6年の刑法犯に関する統計資料」によると、令和6年における刑法犯の認知件数は73万7679件、検挙件数は28万7273件でした。そのうち窃盗犯の認知件数は50万1507件、検挙件数は16万6049件で、刑法犯の中でもっとも多い件数となっています。

本コラムでは、置き引きの概要から該当するケース、逮捕されたあとの流れまで、ベリーベスト法律事務所 京都オフィスの弁護士が解説します。


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1、置き引きとは

そもそも置き引きとは、具体的にどのような行為を指すのでしょうか。以下では、置き引きの意味とどのようなケースが該当するのかを解説していきます。

  1. (1)置き引きの意味と盗難との違い

    置き引きとは、他人の忘れ物や置きっぱなしになっている荷物を、許可なく持ち去る行為です。

    置き引きと混同されやすい言葉として、「盗難」が挙げられます。どちらも他人の物を勝手に持ち去る行為ですが、両者には明確な区別はなく、法律的には、財物を他人が占有しているといえるかどうかによって、成立する犯罪が異なってきます。
    「占有」とは、その物を事実上管理・支配している状態です。持ち主が近くにいて、管理できる範囲にある物を持ち去ると、窃盗罪に該当する可能性が高くなります。

    一方で、明らかに持ち主の占有が離れていると判断された場合には、占有離脱物横領罪に問われることもあります。盗難であれ置き引きであれ、状況によって窃盗罪または占有離脱物横領罪に問われる行為です。
    したがって、盗難と置き引きは法的に明確な区分があるわけではありません。

  2. (2)置き引きに該当する可能性があるケース

    置き引きに該当する可能性があるのは、以下のようなケースです。

    【置き引きになる可能性のある行為】
    • 電車の網棚に置いてある誰かのバッグや財布を持ち去る
    • ATMに置き忘れられた現金を自分の物にした
    • 他人の自転車のカゴに入っていた買い物袋を持ち去る


    他人が置き忘れた荷物を持ち去れば、置き引きとして刑事処罰の対象となる可能性があります

    なお、警察や施設の管理者に届ける目的で忘れ物等の荷物を持ち去った場合でも、状況によっては事情を確認されることがあります。誤解を避けるため、速やかに届け出るなど適切に対応しましょう。

2、置き引きで問われる罪

置き引きは犯罪行為であり、状況によっては「窃盗罪」または「占有離脱物横領罪」に問われる可能性があります。それぞれの罪の内容と置き引きとの関係について、以下で具体的に確認していきましょう。

  1. (1)窃盗罪

    置き引きの中でも、他人の占有が及んでいる状態の物を持ち去った場合は、窃盗罪に該当します。刑法では、窃盗罪について以下のように規定されています。

    刑法 第235条
    他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。


    「窃取」とは、他人の意思に反して財物を自己または第三者の占有に移すことです。

    持ち主が離れてから短時間のうちに置き引きした場合、窃盗罪が成立する可能性が高くなります。席をとるために置いていた荷物や、置き忘れてから間もない荷物などは、持ち主の占有が及んでいると判断されるためです。

  2. (2)占有離脱物横領罪

    置き引きした際に、他人の占有がすでに離れていたと判断される場合は、占有離脱物横領罪が適用されることがあります。刑法の規定は、以下のとおりです。

    刑法 第254条
    遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。


    占有離脱物とは、落とし物や忘れ物などのように、本来の持ち主の手を離れてはいる(=占有が及んでいない)ものの、所有権が放棄されていない物を指します。

    持ち主が置き忘れてから長時間経過した物を置き引きした場合、占有離脱物横領罪が成立する可能性が高くなります。

    ただし、施設内の忘れ物の場合、本来の持ち主の占有が失われていても施設管理者に占有が認められ、窃盗罪が成立する可能性もあるため注意が必要です。

3、置き引きが発覚するケースの多くは「防犯カメラ」

置き引きが発覚するケースとして多いのが、防犯カメラの映像による犯人の特定です。

近年では、駅や店舗・飲食店・商業施設・街頭など、あらゆる場所に防犯カメラが設置されています。置き引きや盗難が疑われる場合には、防犯カメラの映像を確認されるのが一般的です。

置き引き行為が録画されていれば、顔や服装などから身元の特定につながり、後日警察から連絡がくるケースもあります。

また、防犯カメラだけでなく、その場に居合わせた第三者の証言や情報提供も発覚のきっかけとなる場合があります。自分では「誰にも見られていない」と思っていても、後日発覚して逮捕に至る可能性もあるため注意しましょう

4、置き引きで逮捕されたあとの流れ

置き引きで逮捕されると、刑事事件として警察・検察による一連の手続が段階的に進みます。以下では、逮捕後にどのような順序で刑事手続が進むのかを見ていきましょう。

  1. (1)逮捕と送致

    置き引きで逮捕された場合、警察の留置施設で取調べを受けることになります。取調べでの受け答えは今後の処分に影響するため、慎重に対応しましょう。

    逮捕された場合、逮捕から48時間以内に、事件が検察官に送致されます。送致された場合、検察官は送致から24時間以内に勾留請求する必要があるかどうかを判断します。

    勾留請求が決定するまでの最大72時間は、原則として、弁護士以外が被疑者に接見(面会)することはできません

  2. (2)検察官による勾留請求

    検察官が必要と判断した場合、引き続き身柄を拘束するために勾留請求が行われます。

    勾留とは、証拠隠滅や逃亡などのおそれがある場合に、被疑者の身柄をさらに拘束する手続きです。

    裁判官が勾留を認めると、原則10日間、延長されると最長20日間身柄を拘束される可能性があります。勾留期間中の取調べや捜査を経て、検察官は被疑者を起訴するか不起訴とするかを判断します。

  3. (3)起訴された場合は刑事裁判に進む

    起訴されると、無罪・有罪や刑罰の内容を決めるための刑事裁判が開かれます。刑事裁判で有罪判決が下されると、刑罰が科され前科がつきます。

    置き引きの状況や被害額、反省の有無などによっては、罰金刑だけでなく拘禁刑が科される可能性もあるでしょう。

    一般的に、裁判で無罪を勝ちとるのは困難なため、前科や刑罰を避けたい場合には、起訴される前の段階での対応が重要となります

5、逮捕や起訴を回避したい場合は弁護士へ相談を

置き引きに該当する行為をしてしまった場合、早期に弁護士へ相談することで、逮捕や起訴を回避できる可能性があります。弁護士に相談する主なメリットは、以下のとおりです。

  1. (1)逮捕前に適切な対応を行える

    弁護士は、逮捕される前の段階から、リスクを軽減するための適切な対応をアドバイスできます

    まだ警察に呼び出されていない段階でも、すでに捜査が進んでいる可能性もあるでしょう。弁護士に相談すれば、出頭のタイミングや捜査機関への協力方法など、状況に応じた対応策を立てられます。

    また、自首や任意出頭に弁護士が同行することで、誠意ある態度を示しやすくなり、逮捕回避の可能性が高まる場合もあります。

  2. (2)取調べでの受け答えについてアドバイスできる

    取調べでの発言は、処分に大きな影響を与えるため、弁護士による事前のアドバイスが重要です

    捜査機関は、置き引きの事実関係や意図について詳細な取調べを行います。この際、不利な供述や一貫性のない説明をしてしまうと、かえって立場が悪くなるおそれがあります。

    弁護士は、捜査官の質問の意図や法的リスクを踏まえたうえで、どのように受け答えすべきかの助言が可能です。取調べの対応によって「反省している」「悪質性が低い」と評価されれば、不起訴処分の可能性が高まるケースもあります。

  3. (3)被害者との示談交渉を代行できる

    被害者との示談が成立すれば、不起訴や刑事処分の軽減につながる可能性があります。

    示談とは、加害者が被害者に対して謝罪や賠償を行い、事件の解決に向けた合意を得る手続きです。置き引きの場合でも、示談が成立すれば、検察官が起訴を見送る判断をする可能性があります。

    しかし、加害者が直接被害者と連絡をとることは困難です弁護士が間に入って交渉を行うことで、法的に妥当な内容で示談を成立させやすくなります

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6、まとめ

置き引きは、一見軽い行為のように思われがちですが、場合によっては逮捕・起訴・有罪判決といった結果を招く可能性があります。

また、置き引きの成立はその場の状況や占有の有無によって変わるため、気づかないうちに罪に問われるケースもあるでしょう。

置き引き行為に心当たりがある場合は、早期に弁護士に相談することで、逮捕や起訴を回避できる可能性があります。

「警察から連絡がくるかもしれない」「どう動くべきかわからない」といった不安がある方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所 京都オフィスの弁護士にご相談ください。弁護士費用についても丁寧にご説明しますので、安心してお問い合わせいただけます。

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