ネトゲ依存の配偶者と離婚することは可能? 慰謝料請求や離婚の手順
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さいたま市の公表している「さいたま市 保健統計」によると、令和5年に浦和区では176組の離婚が成立しました。
近年、スマートフォンやインターネットの普及により気軽に利用できるようになったのがネットゲームです。趣味程度であれば問題はありませんが、中には離婚問題に発展するほど結婚相手がネットゲーム(オンラインゲーム)にのめり込んでしまうケースもあります。
本コラムでは、ネトゲ依存の配偶者と離婚することは可能なのか、ベリーベスト法律事務所 浦和オフィスの弁護士が詳しく解説します。

1、ゲーム(ネトゲ)依存症とは?
まずはゲーム(ネトゲ)依存症について詳しく解説していきます。
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(1)ゲーム(ネトゲ)依存症とは
ゲーム(ネトゲ)依存症は、日常生活に支障をきたすほどゲームに没頭してしまうことです。
WHO(世界保健機関)でも「ゲーム障害」という名称で国際疾病分類に加えられており、ギャンブル依存症などと同じ精神疾患に位置付けられています。 -
(2)ゲーム(ネトゲ)依存症の具体的な症状
ゲーム(ネトゲ)依存症にみられる具体的な症状は以下のとおりです。
【ゲーム(ネトゲ)依存症の症状】
- ゲームのプレイ時間のコントロールができない
- ゲームを最優先してしまい学業や家事、仕事などがおろそかになる
- なにか問題が起きてもゲームを続行する
- ゲームを常にしたい、ゲームをしなければならないと感じる
- 家族のクレジットカードを無断使用したり借金をしたりしてまで課金する
2、ゲーム(ネトゲ)依存を理由に離婚は可能?
配偶者がゲーム(ネトゲ)依存症で働かない、家事育児もしない、となると離婚を考えるのも無理はないでしょう。
しかし実際にゲーム(ネトゲ)依存症を理由に離婚することは可能なのでしょうか?
結論からいうと、お互いの合意があればゲーム(ネトゲ)依存症を理由に離婚することは可能です。離婚するには協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つの方法がありますが、夫婦が話し合って離婚をする「協議離婚」という方法であれば、どんな理由でも夫婦が合意すれば離婚が成立します。そのため、ゲーム(ネトゲ)依存症を理由に離婚することができるのです。
しかし、協議離婚が成立しなければ「調停離婚」を目指し家庭裁判所に離婚調停を申し立てる必要があります。離婚調停は、調停委員が間に入って当事者の主張を聞きアドバイスや和解案を提示しながら離婚についての話し合いをする手続きのことです。あくまで話し合いによる解決を目的とした手続きであり、ここでも合意さえできれば、離婚理由は問われません。
離婚調停でも合意できなければ最終的に離婚裁判(離婚訴訟)で争い「裁判離婚」を目指すことになりますが、その場合は「法定離婚事由」が必要です。
「法定離婚事由」は、民法で認められた法律上の離婚理由のことで、裁判では法定離婚事由があると認められなければ離婚することができません。ただし、お互いに離婚自体には争いがないのであれば、離婚を前提として裁判が進んでいくことになります。
- 一 配偶者に不貞な行為があったとき
- 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
- 四 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
※令和8年(2026年)4月から「強度の精神病による事由」は削除されます。
ゲーム(ネトゲ)依存症はこの中で「配偶者から悪意で遺棄されたとき」や「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当する可能性があるでしょう。
たとえばゲーム依存により働かない、働いても生活費に入れずゲームに課金する、といったケースは悪意の遺棄に該当する可能性があります。またゲーム(ネトゲ)依存が理由で夫婦関係が破綻している場合は「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当すると認められる可能性もあるでしょう。
3、ゲーム(ネトゲ)依存を理由に慰謝料請求することはできるか
ゲーム依存という理由だけで慰謝料請求をすることはできるのでしょうか?
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(1)ゲーム依存という理由だけでは慰謝料請求は困難
慰謝料請求は、不法行為を受けたことによる精神的苦痛に対する損害賠償として行われます。配偶者がゲーム依存症だからといって、不法行為を受けたとはいえません。
したがって、ゲーム依存という理由だけで慰謝料請求をするのは困難といえるでしょう。 -
(2)その他の事情を踏まえて慰謝料請求できるケースもある
ゲーム依存という理由だけでは慰謝料請求ができません。
しかし、たとえばゲーム仲間と不貞行為(不倫)を行った、ゲームへの向き合い方について揉めているときに暴力を振るわれた、などゲーム依存の他に「不貞行為」や「DV(家庭内暴力)」といった不法行為にあたる事情がある場合は、慰謝料請求ができるでしょう。ゲームをやめさせようと揉めてしまい、暴言を吐かれるなどした場合にも、程度によっては慰謝料を取れる可能性があります。
4、離婚する場合の手順や方法について
ゲーム(ネトゲ)依存症を理由に離婚する手順や方法について順を追ってご紹介していきます。
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(1)離婚に向けた準備
離婚を円滑に進めるためには、配偶者に離婚を切り出す前に入念に準備しておくことが重要です。
以下に挙げられる事前準備をしておきましょう。
① 証拠を収集する
ゲーム依存が家庭に悪影響を及ぼしている、夫婦関係を破綻させていることを証明する証拠を集めましょう。
有効な証拠は以下のとおりです。- 配偶者がゲームを長時間している様子の動画や録音
- ゲームに課金したことがわかるクレジットカードの明細書
- 配偶者が家事育児をしていない様子の記録
② 離婚条件をまとめる
離婚の話し合いに向けて離婚条件をまとめておきましょう。離婚条件の項目は以下のとおりです。- 親権
- 養育費
- 面会交流
- 財産分与
- 慰謝料
- 年金分割
親権を得たいのか、希望する養育費の金額はいくらか、面会交流の頻度はどの程度にするか、などそれぞれの項目に対する自分の希望をまとめておくことで話し合いが円滑に進みやすくなります。
③ 弁護士に相談する
配偶者と揉める可能性が高い、配偶者と離婚の話し合いで顔を合わせたくない、法的なアドバイスが欲しいといった方には早めの段階で弁護士に相談することをおすすめします。
当事者のみでは揉めやすい離婚協議に弁護士が入ることで話し合いをスムーズに進めることが可能です。また、代理人として弁護士に配偶者との交渉を任せることもできるため、直接顔を合わせる必要もありません。
さらに証拠収集へのアドバイスや、万が一調停や裁判になった場合の対応を任せることもできますので、少しでも不安がある場合は、協議の長期化を防ぐという意味でも早めに弁護士に相談しましょう。 -
(2)配偶者との離婚の話し合い
準備が整ったら配偶者と離婚協議を行います。協議が整ったら、離婚条件について取り決めた合意内容を「離婚協議書」としてまとめるか、「公正証書」という公文書にしましょう。「公正証書」は公証役場で作成してもらう書類で、後に取り決め内容で争いが起きた時に有効な証拠になります。
また、養育費や慰謝料などの金銭についての取り決めがある場合は公正証書に「強制執行認諾文言」をつけることで、債務が履行されなかったときに、裁判を経ずに強制執行手続きをとることができるようになります。財産さえわかれば、裁判に長時間をかけることなく相手の財産を差し押さえられるというメリットがあります。
金銭の支払いを含む場合には、後のトラブルに備えて、合意内容は公正証書にしておくことをおすすめします。 -
(3)離婚調停の申立て
離婚協議が決裂した場合、弁護士に交渉を依頼する方法もありますが、家庭裁判所に離婚調停の申立てを行う方法もあります。
離婚調停で合意に至れば、調停調書が作成されて調停離婚が成立します。 -
(4)離婚裁判の提起
相手が調停に出てこない、調停内で何度話し合っても合意に至らないといった場合、離婚裁判を提起することになります。
話し合いでの解決が目的の調停とは異なり、裁判では当事者による主張や提出された資料・証拠をもとに裁判官が離婚についての判断を下します。
ちなみに、離婚裁判は離婚調停を経なければ提起することができませんので注意が必要です。
離婚調停、離婚裁判までいくとそれぞれの手続きを経る分だけ費用や時間も多くかかります。離婚協議の段階で合意に至れるように、早めに弁護士への依頼をご検討ください。
お問い合わせください。
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5、まとめ
現在スマートフォンやインターネットの普及によりゲーム(ネトゲ)依存症が増えています。
ゲーム(ネトゲ)依存症の配偶者と離婚するには離婚協議、離婚調停、離婚裁判といった方法が挙げられますが、まずは裁判費用もかからず、早期に解決できる可能性が高い離婚協議を行いましょう。合意できなければ離婚調停、離婚裁判を起こすことになりますが、揉めている相手との交渉や裁判手続き・対応は非常に精神的負担がかかります。
弁護士に離婚相談すると、的確なアドバイスに加え、配偶者との代理交渉や裁判手続きを全て任せることも可能です。
配偶者のゲーム(ネトゲ)依存症で離婚を考えている方は、ぜひ早い段階でベリーベスト法律事務所 浦和オフィスの弁護士にご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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